冬の季節風は冷たいから気をつけて!…でも美しい夜空も演出しますよ

冬の寒さは気温も低さももちろんですが、北風の冷たさも身に応えます。

この冬の風は、日本各地で地域特有の名前で呼ばれていて、京都の「比叡颪(おろし)」、濃尾平野の「伊吹颪」、神戸の「六甲颪」などが有名で、これらは地方風というのだそうですが、地域に固有の名前が付いているのは冬の季節風のみのようです。

夏の季節風に関して地域ごとの呼び名がないのはどうしたわけでしょうか?不思議です。

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季節風は文化を運ぶ!えっ、寒いだけじゃないの?

季節風はモンスーンともいい、アラビア語の「マウスィム(季節)」という言葉に由来するそうです。

アラビア海では毎年6月から9月に南西の風が吹き、10月から5月には北西の風となります。このような時期により向きが変わる風のことを季節風というわけです。

アラビア海の季節風は古来には沿岸諸国の海上貿易や交通に大きな影響を与えたといいます。

日本の季節風では、夏には気象配置が東高西低となり、太平洋高気圧から南東風が吹き、冬には西高東低となり、シベリア高気圧から北西風が吹き出します。

遣隋使、遣唐使の時代にはこの風を利用して大陸へでかけていたわけで、冬の季節風は大陸からの帰途の風となりますから、日本においてもまさに文化を運ぶ風だったということができます。

季節風が冷たくも美しい冬の夜空を演出!

ここで、歌を一曲。

♪木枯らし とだえて
さゆる空より
地上に降りしく
奇(くす)しき光よ
ものみな いこえる
しじまの中に
きらめき揺れつつ
星座はめぐる♪

知っている人は知っている、知らない人は誰も知らないという、文部省唱歌の「冬の星座」という曲で、2007年に「日本の歌百選」にも選定されています。

作曲者はアメリカの人ですが、作詞の堀内敬三はお馴染の「ジングルベル」の訳詞やドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」のなかの「遠き山に陽は落ちて」を作詞した人でもあります。

冬の星座は、強い季節風のせいで空の塵芥を吹き飛ばし美しく輝きます。

木枯らしがやっと吹きやんだその時、冴えわたった空には数万光年、数十万光年の彼方から奇跡的にも星の光が地球に降り注いでくる、その星が煌めき揺れるのは上空でまだ吹き荒れている季節風が大気を揺らし震わせるからです。

夜の早い時間帯に東の空にオリオンが張り付き、南へ動き始めると冬を実感します。

https://youtu.be/he6uTLQQkFc

冬の季節風は、時期によって呼び名が異なる!

ところで冬の季節風というのは、前述の地方風は別にして全国的に通用するものとしては「木枯らし」と「からっかぜ」というものがあります。

「木枯らし」は秋の終わりから冬の初めに吹く、北寄りの強い風のことで、毎年ニュースで「本日、木枯らし一号が吹きました」と報告するアレです。

気象庁では以下のように規定しています。

  • 関東地方:10月半ばから11月末までの間に吹く北寄りの風
  • 近畿地方:霜降の頃から冬至の頃までの間に吹く北寄りの風

ともに風速が8m/s以上のかえのことをいいます。

もうひとつの「からっかぜ」とは、冬の終わりから春にかけて関東地方で吹く強く乾燥した風のことです。

「上州名物、かかあ天下とからっかぜ」といういい方があるので、てっきり群馬で吹く地方風のことかとばかり思っていたのですが、関東平野全般で吹く風を「からっかぜ」と呼ぶようです。

ちなみに群馬の「からっかぜ」には「赤城颪」という固有名称があります。

「木枯らし」と「からっかぜ」が吹く時期が違うということにも驚きました。さすが日本だけあって芸が細かいなあと感心します。

風速が1メートル増すと体感温度は一度下がる!

冬の風は気温の低さと相まって、寒さが身にしみますが、風速1m/s増すごとに体感の温度が1℃下がるといいます。例えば東京の2017年1月の平均温度が5.8℃ですから、木の葉が舞い、軽く旗がひらめく4m/s程度の風であっても、体感温度は1.8℃!

皆さん風には十分気をつけて、冬の季節風の時期をお過ごしください。

まとめ

  1. 季節風はモンスーンともいいアラビア語の「マウスィム(季節)」という言葉に由来する。
  2. 日本には季節風が大陸から文化を運んできた歴史がある。
  3. 冬の季節風は冷たいけれど、空の塵や芥を吹き飛ばして夜空を美しく魅せてくれる。
  4. 星座好きの私は、毎年冬のオリオンを見ては「ああ、冬が来た」と実感しています。
  5. 冬の季節風には、地方風とは別に「木枯らし」「からっかぜ」の2種類があり、吹く時期が異なる。
  6. 人間のからだは風速1m/s増すごとに体感の温度が1℃下がるので、身体には要注意!
  7. 風邪などひかないようにお過ごしください。

「六甲颪(おろし)」は阪神タイガースの応援歌として有名ですが、実は甲子園球場で吹く風は「浜風」で、「六甲颪」とは違うそうです。

そもそも野球の最盛期は夏で、その時期には冬の季節風は吹かないのです。

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